陶芸と、星占い、タロットカードを、職業にしています。体験をもとにした、心、魂の世界についてのエッセイです。


by fufu6k
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ミカエル Ⅱ

                      占いのホームページ SPACE・和



 荻窪での新生活にようやく慣れた頃、今度は紘子さんに異変が起こった。

 別れた私の恋人は、雑誌のライターをしていたが、私が知り合った頃は、西洋占星術を学んでいて、星占いの原稿の執筆がおもな仕事になっていた。その後、星占いの教室を開き、紘子さんを含めた、彼の友人達も、面白半分に教室に出入りするようになった。
 その頃、渋谷に、某ゲーム会社が作った占い専門の店があった。コンピューター占いや、占い関連のグッズの販売のほかに、鑑定ルームがあり、週に一回くらいのペースで、彼がそこでの占いを担当していたが、次第に私や紘子さんに、そこの仕事を回すようになった。紘子さんは趣味の延長のアルバイト程度の軽い気持ちで、たまにその店で、占いの仕事をするようになった。

 その店に、ある日、一人の青年が、占いをみてもらいにやってきた。その日は、紘子さんが担当の日だった。鑑定ルームはいくつかあるが、彼はたまたま、紘子さんの部屋に入った。そしてその出会いが、紘子さんの人生を激変させることになる。舞台俳優の勉強を続けながら、声優として活躍していた、彼女の華やかで充実した人生は、その日を境に、ある意味で大きな苦しみをともなうものとなった。いや、苦しみと言ったら、紘子さんは怒るかもしれない。彼女にしかわからない、深い平安や幸福を、紘子さんは得ているのだろうから。

 青年の名を、田中英信という。紘子さんは後に、彼をヒデという愛称で呼ぶようになった。彼は当時、サラリーマンをしていたが、非常に強い霊能の持ち主だった。ヒデと紘子さんは、まるで磁石のプラスとマイナスが引き合うように、強く惹かれ合い、互いの感性が刺激し合い、そして、紘子さんの眠っていた霊能が、花開いた。

 紘子さんの話によると、その頃、彼女はヒデと毎日のように会っていたそうだ。彼は紘子さんより17歳も年下で、おまけに好みのタイプの男性ではないのに、なぜか会わずにいられなかったと、彼女は言っていた。

 ヒデは生まれつき、強い霊能力を持ち、霊的世界の知識も豊富なので、話題も霊的な話が多かったのだろう。いっぽう当時の紘子さんは、私の知っている限りでは、そういう世界に全く興味を持たない、現実主義者だった。占いを真剣に信じていたわけでもなかった。

 そういう彼女に何が起こったのか。
 常識の目で眺めれば、年下の男にとち狂ったとしか見えない。しかし、断言できるが、紘子さんとヒデの間に起こったことは、男と女の色恋ではない。恋の欲も、体の交わりもない。初めから恋愛というものを突き抜けた、人と人の、魂の結びつき。互いの人生の課題をクリアーするために、どうしても必要な、必ず出会わなければならない相手。ヒデと紘子さんの関係は、そういうものだと思う。




 


 
 
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by fufu6k | 2009-04-12 13:03