陶芸と、星占い、タロットカードを、職業にしています。体験をもとにした、心、魂の世界についてのエッセイです。


by fufu6k
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震災 Ⅰ

                   占いのホームページ SPACE・和


 3月11日、午後2時46分。私はパソコンに向かっていた。タロット教室で使う教材を作り、保存をかけて、プリントアウトしようとした。そのとき、グラッと揺れた。

 反射的に立ち上がった。棚の上段に重ねて置いてある角皿が、カタカタ鳴っていた。危ないかなと思い、角皿を両手で押さえて、しばらく待ったが、揺れは止まらない。不安になって、角皿を床に下ろしたが、棚の隣のピアノの上に並べてある、丈の高い花瓶類やオブジェが、ゆらゆら揺れているのが目に入った。

 そろそろ止むだろうと思いながら、揺れている作品を手で押さえたが、作品はいっそうグラグラしだし、倒れる危険を感じ始めた。この時点で、本当にこわくなった。

 これは、今まで経験したことのない地震だ!

 重い陶器の作品が落ちてきたら、怪我をする恐れがある。重量のあるやきものは、凶器になる。私は急いで、作品を床に下ろした。そうこうしているうちに、いちばん端にあった小型の花瓶が、床に落ち、その弾みで、そのそばに飾ってあった、大きな写真が、すべり落ちた。それらを片付け、テーブルの下にもぐりこもうとして、以前テレビで、地震のときは玄関の戸を開けて、避難路を確保しておくことが大切と、言っていたのを思い出した。急いで玄関に行こうとしたとき、パソコンの電源が切れているのが目に入った。停電だと思いながら、玄関を開けると、近所の人がみな、外に出ていた。
 隣の住人と喋っているうちに、揺れはおさまった。
 ファイルの保存をかけておいてよかったと思いながら、家の中に入った。まだ心臓がドキドキしていた。

 ここ、富士吉田市は、雷が落ちたりすると、よく停電する。30分もすれば電気がつくので、初めは、どうせすぐに復旧するだろうと、楽観していた。とはいえ、電気がなければ、パソコンが使えず、蛍光灯がついていないと、細かい手作業や絵付けもやりづらく、仕事にならない。掃除機が使えないので、掃除もできない。
 手持ち無沙汰にうろうろしていた。30分たっても電気はつかなかった。

 ひょっとしてこの停電は、長引くのかしらと思い始めた。暗くなっても電気がつかない場合を思って、戸棚の奥から懐中電灯とローソクを探し出し、コンビニに夕飯を買いに出かけた。
 外へ出ると、市の防災無線の放送が聞こえた。市内全域が停電しており、復旧のメドが立っていないことを伝えていた。これは、おおごとになったと思いつつ、通りへ出ると、当然のことだが、店はどこも薄暗く、信号機は灯が消えて、お巡りさんが交通整理をしている。この異常な光景を見て、危機感が迫ってきた。
 コンビニは、これも当然のことだが、レジが使えず、店員さんが、計算機で会計をしている、いちいち商品の値段を調べ、数字を打っていくので、時間がかかり、レジは長蛇の列。パンや即席ラーメンの棚はすでに空だった。電子レンジが使えないので、温めないとおいしくない弁当類は、かなりの量が残っていた。

 コンビニを諦め、家に戻った。ガスは使えるので、ガスでご飯をたくことにし、暗くならないうちに夕飯の支度をすることにした。
 防災無線が、復旧のメド立たずと、繰り返していた。近所のおばさんが、電力のおおもとが、ダメになってるらしいよ、と、やや緊迫した声で喋っていた。
 
 食事を作りながら、冷静でいようと、自分に言い聞かせていた、アドレナリンが多めに出ている感じ。どこか高揚している自分がいた。
 食事を作り終えたころ、暗くなった。ローソク二本に火をともし、ファンヒーターが使えないことに気づいた。しばらく使ってなかった灯油ストーブを引っ張り出した。電気がないと、こうもいろいろなことができないのだと、思い知らされながら、暗い中で、味気ない食事をとった。
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by fufu6k | 2011-04-13 02:33