陶芸と、星占い、タロットカードを、職業にしています。体験をもとにした、心、魂の世界についてのエッセイです。


by fufu6k
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震災 Ⅴ

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 3月14日、避けられない用事があり、東京に出かけた。電力不足のために電車が不通になっている個所があるので、ひやひやしながら、動き回った。JRは立川までしか電車が走っていなかった。京王線は、夕方6時以降は、調布までしか電車が来なかった。帰宅する人間のことは、まったく考えていないのだろうか。

 3月15日、菅総理がテレビで、原発についての会見をした。「みなさん、冷静に聞いてください」と前置きするのを見ながら、医者が深刻な病状を患者の家族に説明するときのようだと、思った。「冷静に聞いて」と人が言うとき、そのあとに続く言葉は、たいていの場合、胸が砕けるような事態を告げている。

 脳みそがどんどん冷静でなくなるのを感じながら、壊れかかった懐中電灯を、直せないものかといじり回していた。
 それから、新宿に電池を買いに出かけたが、大型電気店を二件まわっても、電池は買えなかった。
 デパートのショウウインドウが、電気を消していて、暗かった。なんだか、どこもかしこも薄暗く、自動ドアが使えないところもあった。
 東急ハンズで、太陽光で充電できる、携帯電話の充電器を買った。放射性ヨウ素などが、風に乗って飛んでくるのが心配だったので、マスクも買った。懐中電灯も欲しかったが、売り切れだった。

 その日は、夕方6時20分から、計画停電に入る予定だったので、夕飯のテーブルにローソクを用意し、テレビも消して、家族で身構えていたが、6時20分を過ぎても、電気は消えなかった。ややしばらくたって、調布市防災無線が、停電の中止を告げた。

 計画停電は、あたふたと唐突に始まり、計画通りに実行されたためしはなかった。

 15日の晩、調布の家の二階で、洗い髪にドライヤーをかけていると、激しい揺れが来た。4日前の地震で、恐怖感が心に刷りこまれているので、階下に駆け下りた。

 茶の間のテレビをつけると、静岡震源で、富士市が震度6、富士山の反対側の河口湖、富士吉田、山中湖が震度5、と出ていた。地震発生時の街の映像が映った。富士吉田の駅前の、見慣れた風景が揺れていた。

 棚に置いた携帯が、何度か鳴っていたが、テレビを見ていたかったので、後回しにした。電話もメールも来ていた。中央道は通行止めになっていた。明日、帰れなかった場合にどうするか、あれこれ考えた。

 翌16日、中央道は開通した。朝、昨日の電話とは別の友達が電話をくれた。皆、富士吉田震度5というニュースを見て、心配してくれたのだ。
「山梨に帰るのはやめて、家族と一緒にいたほうがいいんじゃない」
という彼女の言葉に、心が揺れた。
 山梨で大きな余震がまたあるかもしれない。余震ではなく、本震があるかもしれない。富士山がどうなるかもわからない。でも、東京より山梨のほうが、福島原発からは遠い。
 どっちにいたら安全なのか、わからなくなった。
 足元の地面が崩れていくような危機感に襲われていた。原発が大変なことになったのを知り、富士山直下で地震があった、この15日から16日にかけて、私の不安感と恐怖感はピークに達した。
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by fufu6k | 2011-04-23 01:37