陶芸と、星占い、タロットカードを、職業にしています。体験をもとにした、心、魂の世界についてのエッセイです。


by fufu6k
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天使が来た!

                                          占いのホームページ 12の星座の性格
 

 
 今から十数年前、バリ島に二週間滞在していたとき、それは現われた。

 ホテルの玄関先や、寺の中庭などで、絶え間なく奏でられるガムランの音。熱せられた空気。町のあちこちにある、小さなお堂の前で焚かれる、線香の匂い。強烈な色彩を放つ、ややグロテスクなバリ絵画。そういうものに囲まれて過ごしているうちに、日本の、ふだんの暮らしの中で身につけている現実感覚や常識が、少しずつ薄れていった。

「神様を信じますか?」

 寺のお祭に行き、隣にいたインドネシア人にそう質問したときの、相手の反応が忘れられない。彼は目を瞠り、このような質問をすることじたいが、まったく馬鹿げている、あり得ないことだ、といわんばかりの表情で、こう言った。

「神様はいますよ。当たり前のことじゃないですか」

 そうなのだ。この土地の人々にとって、神様の存在は、足の下に地面があるのと同じくらい、当然のことなのだ。ごく自然に神の存在を信じている彼らが、日本人より幸せな人々に思えた。

 そういう信心深い空気に心地よく影響され、私の心はあの世的なものを素直に受け入れるようになっていたのだろう。

 ある晩、こわい夢を見た。バリ絵画に描かれている、極彩色の鬼のようなものが、私の亡くなった母親を、頭からばりばり食べているのだ。血だか臓物だかが、まわりに飛び散っていたような気がする。あまりの怖さに縮み上がっていると、突然、何ものかが私のベッドに舞い降りてきた。それは、そのときの私の感覚からすると、小柄な人間くらいの大きさで、体は引き締まって硬く、ヨーロッパの街にある天使の彫像のように、いかつい感じがした。背中には大きな翼が生えており、それは私の体の上にしばらくとどまっていたかと思うと、次の瞬間、ひらりと隣のベッドに飛び移っていった。隣のベッドには友人が寝ていた。

 これを夢と言い切ってしまうこともできる。母親を食べている鬼の夢の続きに、天使が出てきたのだ。この話をバリ島の人に話したら、天使があなたを守ってくれたのだと言うだろうし、日本人に話したら、天使の夢を見たのだと思うだろう。

 私がこれを夢だと思っているのなら、ここで文章にはしない。夢ではない、確かなものを感じたから、いまだにそのときのことをありありと覚えているのだ。
 大きな翼を持った天使が、あのとき、確かにやって来た。e0172753_9473818.gif
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by fufu6k | 2009-02-20 09:54