陶芸と、星占い、タロットカードを、職業にしています。体験をもとにした、心、魂の世界についてのエッセイです。


by fufu6k
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 フフは、2年前に、光の流れに乗って、天から舞い降りてきた。8月の猛暑の午後、気温が40度に達し、空気が熱く揺らめき、整然と列を成す墓石が、皆一様に白く輝いて見えた。父と母が眠る霊園に、フフは舞い降りて来た。

 墓参りに行くのは、十数年ぶりだった。「お墓に霊はいない、お墓に行かなければ、肉親や祖先の霊に会えないというものではない、心をこめれば、自宅で祈っても、亡くなった人の魂に充分思いは通じる」
 私に精神世界を教えてくれた友人は、そう語った。その言葉を素直に受けとめて、というよりは、言い訳にして、両親の墓に詣でることを怠けていた。

 墓参りに行くことにしたのは、ある女性のチャネラーに、それを勧められたからだ。音楽家でもあるその女性は、私に占いをしてもらいに来た青年の知り合いで、その青年は私と話をしたあと、その女性と私を会わせたいと思ったのだそうだ。私とその女性がどんな話をするのか、興味があったらしい。
 
 その女性は、占いを希望していたので、いつものように占星術とタロットカードで占いをした。テーブルの上でカードを両手で混ぜているとき、カードが妙にふわふわと浮き上がるような感じがした。カードはテーブルの上をすべるように動き、そのうちの一枚は勢い余って床に落ちてしまった。

「困ったわ、カードがふわふわする」
「あっ、ごめんなさい。カードに気持ちを集中しないようにするわ」

 そう言って彼女は、体の向きを変え、カードから目をそらした。カードが浮き上がるように感じるのは、彼女が持っているパワーのせいだとわかった。

 占いが終わって雑談をしているうちに、私は自分のことを彼女の霊感で見てもらいたくなった。彼女は名前の文字を見ると、いろいろなことがわかるのだそうだ。漢字の字画で占う、いわゆる姓名判断ではなく、文字に触発されて霊感が動き出すのだ。

 紙に書いた私の名前をじっと見ながら、彼女は私が抱えている問題について、いくつかの核心をついたことを言った。その内容については、後日、触れることになるかもしれないが、この章の本題からそれるので、ここでは割愛する。話の最後に、彼女は私の亡くなった父について語った。

「お父さんは、成仏をしていないということではないのだけれど、自分の死に方について、納得のいかない思いをされているわ。その思いが引っ掛かりになって、パワーが落ちているというか、すっきりしない状態におられるの。お父さんのお墓参りに行きなさい。お父さんに光を与えなさい。それができるのは、ご家族の中で、あなただけなの」

 父が納得のいかない死に方をした、という言葉は、充分すぎるほど理解できた。
 父は、私が12歳のときに、他界した。私の両親は晩婚だったので、父は50代半ばで亡くなったのだが、仕事は充実し、やりたい仕事もまだまだあり、意気盛んだった。インフルエンザか何かに罹り、その数年前に肋膜炎を患ったこともあってか、こじらせて入院したのだが、私の記憶では、病院に入って数日で亡くなってしまった。「注射が原因で……」と、母と叔母が小声で話しているのを、耳にした。

「僕は残念だ」と言って、父は亡くなったそうだ。
男としてチャレンジしたい仕事があり、娘達の成長を見守りたく、母とののどかな老後も思い描いていただろう。絵に描いたような、幸福な家庭と、私の小学校の先生が評したことがあるそうだ。そういう家庭を築いていた父の人生は、一本の注射器で、あっけなく幕が下ろされてしまった。
 今なら、医療ミスを訴えることもできる。当時、患者側は泣き寝入りをするしかなかった。いや、現代でも、たとえ訴訟に勝ったとしても、死なされてしまった側は、泣き寝入りなのだ。賠償金を得ても、亡くなった人は生き返らない。医療ミスは、生命を奪うだけでなない。つつがなく人生を続けるはずだった本人の、夢と願望を奪うのだ。

チャネラーの女性は、私の前世についても触れた。私は前世でも、巫女のような、霊感を使う仕事をしていたそうだ。現世でも、霊感を使って、占いという仕事をしている。
「だから、お父さんに光を与えて、助けるのは、あなたなのよ」
 彼女はそう締めくくった。

「不思議ね。今朝、叔母と父の話をしてたんです。叔母が父の話をするなんて、滅多にないんですよ。パパは亡くなる間際に、ママと子供達をよろしく頼むって、私に言ったのよ、って。突然そんなことを言い出したんです」
「私が今日ここに来た本当の目的は、あなたにお父さんの力になるように言うことだったのね」
 彼女は微笑みながら、そう言った。e0172753_18571042.jpg 
              
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by fufu6k | 2009-02-23 19:08