陶芸と、星占い、タロットカードを、職業にしています。体験をもとにした、心、魂の世界についてのエッセイです。


by fufu6k
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砂漠の像 Ⅲ

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 エジプトから戻って、数日たった頃。お風呂に入っていたときのことだ。
 お湯にゆっくりと浸かりながら、旅の思い出に耽っていた。スフィンクスやら、ピラミッドやら、神々の壁画やらの鮮明な映像が、頭の中を走馬灯のようにぐるぐる回っている。帰りの飛行機の中で、エジプト人の乗務員が、コックピットの中を見せてくれた。あれは貴重な体験だったな、などと思っていたそのとき……。

「私は、あそこにいた」
 
 いきなり言葉が胸の中心から湧き出てきた。あそこ……紀元前のエジプト、遺跡が遺跡ではなく、“現役の”神殿として栄えていた、紀元前千数百年のエジプト……。その古代エジプトに、いた、生きていた、という意味で、「私は、あそこにいた」という言葉が、胸から聞こえてきた。
 ………。
 ………。
「私は、あそこにいた。紀元前のエジプトに、いた」
 言葉はしつこく繰り返された。
 
 そんな馬鹿な……。私は、何を考えてるんだろう。そんなわけないじゃない……。懸命に否定した。しかし、必死で否定すればするほど、言葉はしつこく湧いてくる。

「私は、あそこに、いた」
 
 正直、自分は気が狂ったかと思った。紀元前のエジプトに自分が生きていたという考えを持つことが、まず正気の沙汰ではないし、それ以前に、まるで胸の奥にもう一人、別の自分がいて、言葉を発しているような、この状態がそもそもおかしい。

 おかしい……、狂ってる……。しかし、そう思ったのはほんの少しの間で、私は自分の今の状態が、狂っているのではないことを、心の底で気付き始めていた。否定しても、否定しても、紀元前のエジプトに自分は生きていたと言い続ける、もう一人の自分の主張が正しいことも、何故か、心の底でわかり始めていた。

 そうなのだ。私は古代エジプトに生まれ、人生を送っていたのだ。おそらく、いや確実に、アクナトンの時代に。アクナトンのそばで、私は生きていたのだ。

 ルクソール博物館での出来事が、カイロ博物館で、磨耗した小さな石像に涙したことが、すべてひとつにつながった。そうなのだ……。
 否も応もなく、私は前世というものを認めざるを得なくなった。

e0172753_2104758.gif でも……、こんなこと、とても人には言えない……。
「あたし、紀元前のエジプトにいたのよ」なんてことを、友達や彼氏にしゃべったら、それこそ気ちがい扱いされてしまう……。



 
 
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by fufu6k | 2009-03-27 00:01